2つのデータ群の平均に違いがあるかを検定します。
マネージャーから今回実施したキャンペーンの評価をするようにとAさんに指示がありました。単純にセット販売と通常販売の金額を比較すると、セット販売の平均売上金額が高く、Aさんはおおむねキャンペーンは好評だったとレポートを作成しました。しかし、統計に詳しいBさんはどうも納得のいっていない表情です。Bさんは、キャンペーン期間が2週間しかなく販売数もそれほど無いのに、成功したと評価してよいものか疑問に思っているようです。
Bさんはセット販売と通常販売の売上金額をt検定で確認したところ、偶然の範囲だという結果を得ました。セット販売の平均の値のほうが大きいという仮定は覆され、違いが見られなかったことになります。つまり、キャンペーンによる効果は無く、失敗に終わっていたのです。Aさんはレポートは、キャンペーンの拡大という提案から、キャンペーンの見直しという結論に変更となりました。もしキャンペーンを拡大した場合、大きな損失を被る可能性があったわけです。
新商品の効果を知りたい
2つの営業所の業績に違いはあるか
2つの地域で販売数に違いはあるか
新商品と既存商品の売上金額を比較して新商品の売上貢献を検証する
2つの営業所の業績のばらつきと平均の違いを検証する
地域で分けた顧客グループの販売数の違いを検証する
F検定は、2つのデータ群のばらつきが等しいか(等分散)を検定します。等分散であるか、ないかで2つのt検定を使い分けます。ただし、t検定を行なうためにはいくつか条件があります。それらを確認後、適した分析手法により分析を行ないます。
t検定のためには、データが正規分布である必要があります。そのため、シャピロ・ウィルク検定によりデータの正規性を検定します。
F検定により、データの分散が等しいかを検定します。それにより、t検定の手法が異なります。
データの正規性が確認され、等分散が仮定された場合にスチューデントのt検定を行ないます。
データの正規性が確認され、不等分散が仮定された場合にウィルチのt検定を行ないます。
データの正規性が確認されない場合、マン・ホイットニーのU検定により代表値の差を検定します。
Trunk tools では、販売管理と支出管理の取引履歴を、顧客データ、商品データ、スタッフデータ、取引先データを組み合わせて多角的な分析が可能です。ここでは、Trunk tools を利用してできる分析の簡単な一例をご紹介します。
2店舗を運営している美容室の経営者が、本店と支店のリピート顧客の動向を気にしています。本店の方が平均するとリピート顧客の数が多いのですが、たまたま多くなっているような気がして確信が持てません。そこで、顧客データに登録してあるリピート属性の顧客数をカウントして、F検定とt検定を行いました。結果はP値が0.05より小さくなり、本店の方がリピート顧客の来店が多いことが証明されました。支店に対して、再来店促進キャンペーンの実施を検討することにしました。
おにぎりにお茶をつけたセット商品を販売したお弁当屋さんの店主が、おにぎり単体の販売とセット商品の販売個数をF検定 t検定により、セット商品の販売の効果を知りたいと考えています。分析の結果、セット商品が売上に効果があったことが確認されました。しかし、基本統計量を見るとセット商品の分散にバラツキが見られるため、今後は安定した販売を目指すことが今後の課題と考えるに至りました。
関東と関西の営業部はライバル関係にあり、互いに売上金額を伸長させています。毎月、抜きつ抜かれつのデットヒートを繰り広げています。1年間の売上金額をもとにF検定 t検定を関東と関西で行ったところ、売上金額に違いがないことが分かりました。平均金額で求めた違いは偶然の誤差の範囲であり、貢献度としては違いがないと評価されました。
ある居酒屋では、ふたつのブランドの焼酎を提供しています。このふたつのブランドを仕入個数から分析します。発注は定期発注方式を採用しており、発注時の在庫量や需要量に応じて発注数を計算します。発注数は支出管理で管理しているため、それをもとにF検定 t検定を行いました。ばらつきは異なるものの、平均値に違いはなく、両ブランドとも同様にファンがついていることが分かりました。
列ラベルを変更してさまざまなデータに対して、F検定 t検定を実施することができます。
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