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分散分析

分散分析

複数のデータ群の平均に違いがあるかを検定します。

営業力の違いを検証するには

分散分析

営業マネージャーは、社員間の業績の違いについて検討しています。業績の違いにつながる営業力は、顧客への訪問回数ではないかと仮説を立てて、社員ごとに月毎の訪問回数を用いて分散分析を行いました。しかし、各社員間での違いは見られず、仮説は立証できませんでした。そこでAさんは切り口を変え、1つの商品に対する訪問の差ではないかと新たに仮説を立てました。

効果は偶然?必然?

分散分析

商品Aに対する訪問回数を集計して改めて分散分析を行ったところ、営業成績の良い社員の訪問回数が高いことが分かりました。業績の良い営業社員は、商品Aにたいして訪問する回数が多く、重点的な営業活動を行っていると考えられます。分散分析は、行動、実施した施策の効果や影響を、データ群の平均の違いにより効果のある・なしを判断します。

利用事例

たとえば、こんなときに

  • 地域ごとの販売数が異なるか知りたい

  • スタッフのスキルにより売上実績に違いがあるかしりたい

  • 商品の色や形により販売数が異なるか知りたい

こんなことができます

  • 地域別に販売数の平均値が異なるか検証する

  • ある特定のスキル別の売上平均が異なるか検証する

  • 色や形の販売数による販売数の平均が異なるか検証する

分散分析の概要

2つのデータ群の平均値の差を検定する場合はt検定を使いますが、3つ以上の場合は分散分析を利用します。平均値が異なるということは、偶然にも値が異なったのか、必然的に異なったのかを把握すする、ということになります。施策を行なう前後で分析し、施策の効果があったのか、それともなかったのか、効果検証に役立ちます。ただし、分散分析だけでは、どの群とどの群に差があるかは分からないことに注意してください。違いを把握するためには多重比較を行なう必要があります。分散分析と多重比較はセットで行なうことが望まれます。

一元配置分散分析の流れ

一元配置分散分析を行なうためには、いくつか条件があります。それらを確認後、適した分析手法により分析を行ないます。多くの分析がありますが、Trunk tools は、自動的に最適な手法を選択します。

1.シャピロ・ウィルク検定

分散分析を行なう場合、データが正規分布である必要があります。そのため、シャピロ・ウィルク検定によりデータの正規性を検定します。

2.バートレット検定

データの分散により分析手法も異なります。バートレット検定により分析手法を選択します。

3-1.一元配置分散分析

すべてのデータ群が正規性を満たし、等分散が仮定されるときに一元配置分散分析を行ないます。

3-2.一元配置分散分析 Welch拡張

すべてのデータ群が正規性を満たし、不等分散が仮定されるときに一元配置分散分析 Welch拡張を行ないます。

3-3.クラスカル・ウォリス検定

データが正規性を満たさない場合、クラスカル・ウォリス検定で代表値の差による検定を行ないます。

4-1.多重比較 テューキー法

データ群が正規性を満たして等分散が仮定されるとき(一元配置分散分析)、テューキー法により多重比較を行ないます。

4-2.多重比較 ゲームズ・ハウエル法

データ群が正規性を満たして不等分散が仮定されるとき(一元配置分散分析 Welch拡張)、ゲームズ・ハウエル法により多重比較を行ないます。

4-2.多重比較 スティール・ドゥワス法

データが正規性を満たさない場合(クラスカル・ウォリス検定)、スティール・ドゥワス法により多重比較を行ないます。

繰り返しのない二元配置分散分析の流れ

繰り返しのない二元配置分散分析もデータに条件があります。一元配置同様に、適した分析手法により分析を行ないます。また、自動的に最適な手法を選択します。

1.シャピロ・ウィルク検定

分散分析を行なう場合、データが正規分布である必要があります。そのため、シャピロ・ウィルク検定によりデータの正規性を検定します。

2.バートレット検定

バートレット検定によりデータの分散を検定します。

3-1.繰り返しのない二元配置分散分析

すべてのデータ群が正規性を満たし、等分散が仮定されるときに繰り返しのない二元配置分散分析を行ないます。

3-2.フリードマン検定

データが正規性を満たさず、不等分散が仮定される場合、フリードマン検定で代表値の差による検定を行ないます。

4-1.多重比較 テューキー法

データ群が正規性を満たして等分散が仮定されるとき(繰り返しのない二元配置分散分析)、テューキー法により多重比較を行ないます。

4-2.多重比較 スティール・ドゥワス法

データが正規性を満たさず、不等分散が仮定される場合(スティール・ドゥワス検定)、スティール・ドゥワス法により多重比較を行ないます。

データを組み合わせて多角的に分析

Trunk tools では、販売管理と支出管理の取引履歴を、顧客データ、商品データ、スタッフデータ、取引先データを組み合わせて多角的な分析が可能です。ここでは、Trunk tools を利用してできる分析の簡単な一例をご紹介します。

地域により売上金額に違いがあるか分析する

海産物を販売するECサイトの運営者は、地域別の売上金額がいつも違うように感じています。もし、傾向として違うのであれば広告掲載エリアを検討したいと考えています。顧客データで設定した地域項目をもとに販売管理の取引履歴を分散分析を行います。分析結果より地域による違いは無いと結論がでました。しかし、購入時間帯に違いが在ることが分かりました。時間帯を考慮したプロモーションの検討を開始しました。

複数の新商品の売上金額に違いが在るか分析する

昨年度、売上が好調だったシステム手帳に色のバリエーションを増やして発売しました。以前のシステム手帳は黒のシンプルなものでしたが、赤、茶、青の3色のバリエーションを増やしています。発売から半年後、既存の黒手帳の売上が比較的高い状況が続いています。しかし、偶然既存商品の売上が高い可能性もあるので、分散分析により数学的に検証してみました。分析結果は偶然の範囲を超えていたので、既存の黒手帳は新商品に比べて売上金額が高いと結論付けられます。新商品の色の見直し、もしくは黒に統一しての販売を検討することになりました。

営業スタッフの対応方法に違いが在るか分析する

ある営業スタッフの成績が好調です。このスタッフの営業方法に違いがあるのではと考えた営業部のマネージャーは、営業スタッフの行動に違いがあるのではと考えています。販売管理に登録してある対応方法という項目には、「訪問」「電話」「メール」と日々の取引履歴を収集しているのでそのデータを利用します。分散分析により、「訪問」と「メール」の違いは在りませんでしたが、「電話」に違いが在りました。成績のよい営業スタッフは、電話をこまめにかけ、コミュニケーションが良好であるようです。マネージャーは営業スタッフにヒアリングを行い、全社的な営業方法を検討を行う予定です。

Trunk tools は誰でも簡単に分析できます

クリックだけで分析結果を集計表示

手法選択で一元配置と繰り返しのない二元配置を選択します

分散分析の設定

一元配置の場合は列ラベルが変数となり、繰り返しのない二元配置は行ラベルがそれぞれ変数となります。

分析結果

検定結果にあわせて必要な情報を表示します。

分散分析の分析結果:シャピロ・ウィルク検定、バートレット検定、一元配置分散分析、クラスカル・ウォリス検定、チューキー法、ゲームズ・ハウエル法、スティール・ドゥワス法

ブックマークに登録すれば、分析を行なったときのメモとあわせて、いつでも分析結果を復元できます。

分析結果の見方がわからなくても安心

グラフや数値の見方がわからなくても、分析結果とあわせて表示されるポイントとヘルプで、すぐに業務にご活用いただけます。

分散分析が終わったら

分析手法一覧から調べたい手法を選択してください。

Trunk toolsでは、業務データから分散分析をスムーズに行います

すべてのサービスのデータを組み合わせて利用できます

  • 販売管理のデータで、期間の異なるキャンペーンの効果を分析する。

  • 支出管理のデータで、費用項目ごとの支出額の違いを分析する。

  • 予約管理のデータで、レンタル商品の効果を分析する。

サービス一覧から利用できる業務データをご確認ください。