スモールデータの活用

分析ができるデータでないと意味が無い

ビッグデータとスモールデータ

次から次に出てくるキーワードは、覚えるだけでも大変です。
新しいキーワードというだけで警戒してしまうのは、私だけではないはずです。
しかし、ビッグデータという言葉は魅力的です。
さまざまなデータから人々の行動を予測したり、最適な解を導き出す手法は魅力的です。

東野圭吾さん原作の「プラチナデータ」という映画が、先日地上波で放送されていました。
DNAを解析して犯罪者を特定するという、とてつもないデータを解析をするシステムが登場します。
このシステムにかかると、性格や体格、足の指の長さまで正確に分析してしまいます。
映画では日本国民すべてのDNAを集めて超管理社会の実現を目指していますが、データさえあれば何でも分かってしまいそうでちょっと恐ろしくなりました。
ただ、実際これだけのデータを集めるためには膨大な時間とお金がかかります。
それに道徳的にもどうかと。。

ビッグデータでよく例にあがる「マネーボール」の方が、分かり易くて好きです。
オークランド・アスレチックスのゼネラルマネージャー、ビリー・ビーンが統計により選手を評価するセイバーメトリクスを用いて、経営危機に瀕した球団を再建する物語です。
くたびれたおっさん(といってもブラッド・ピットですが)が、信念を貫いて成功する姿は爽快です。
ここで出てくるセイバーメトリクスは、選手の情報をもとに統計を活用して選手を客観的に評価しようというものです。
ビッグデータの例としてはいささか規模が小さいですが、データは選手の走・攻・守を中心に集めればよく現実的です。

「プラチナデータ」は近未来のフィクションであり、「マネーボール」は実話をベースにしているので、単純に比較することはできません。
しかし、ビッグデータが向かおうとしている先は「プラチナデータ」の考えに近いと思います。
膨大なデータを集めて解析し、結果を求める。インフラを持っているなど、規模が大きくなければできない施策です。
日々の仕事の中で活用するとなると、敷居が高すぎます。
逆に、「マネーボール」は今集計できるデータで現状を把握し、野球のルールの中で最適なチームを作りだしています。
これって、できそうな気がしませんか?

ビッグデータのように派手ではないためか、以前から存在している言葉なのにスモールデータの注目度は低いようです。
スモールデータの定義が曖昧であるというのも原因の一つかもしれません。
(ビッグデータもぼんやりしていますが、逆に想像力をかきたてられているような気がします)
細かい話は抜きにして、言葉通りにデータサイズの観点から言うと「プラチナデータ」はビッグデータであり、「マネーボール」はスモールデータです。

今すぐ効果があるのはスモールデータ

派手さはなくても、取り回し易く、身の丈にあった分析ができるスモールデータは、日々の仕事に直結します。
売上データはどの会社にもあるはずです。それを活用することがスモールデータ活用の入り口です。
単に月次の集計結果を見るだけでは、もったいないです。
業務に精通したあなたはの知見を活かして、今ある、または取得できるデータを活用することからデータ分析に取り掛かるのはいかがでしょうか。